事業計画書の数値計画ガイド
補助金の事業計画書に必要な数値計画(売上計画・収支計画・資金繰り)の作り方を具体例付きで解説。
1補助金審査で求められる数値計画の種類
補助金の種類によって求められる数値計画が異なります。
| 補助金名 | 必須の数値計画 |
|---|---|
| ものづくり補助金 | 付加価値額年率3%以上、給与支給総額年率1.5%以上 |
| 小規模持続化補助金 | 売上計画、経費計画 |
| 省力化投資補助金 | 労働生産性の向上率 |
| 新事業進出補助金 | 付加価値額、売上高 |
ものづくり補助金の「付加価値額」は「営業利益 + 人件費 + 減価償却費」で算出します。年率3%以上の伸びを3〜5年の計画で示す必要があります。
※本記事の情報は執筆時点のものです。補助金制度は公募回ごとに要件が変更される場合があります。申請の際は必ず最新の公募要領をご確認ください。
2売上計画の立て方と根拠の示し方
審査で最も重視されるのは売上計画の「根拠」です。
- 積み上げ方式:顧客数 × 単価 × 購入頻度で算出
- 市場規模方式:TAM × 獲得シェアで算出
- 比較方式:類似事業の実績データから推計
根拠の示し方の例: - 既存顧客100社のうち30%が新サービスを利用 → 30社 × 月額5万円 × 12ヶ月 = 1,800万円/年 - 商圏人口5万人 × 認知率10% × 購入率5% × 客単価3,000円 × 年間購入回数3回 = 225万円/年
「希望的観測」ではなく「論理的に導き出される数値」であることが重要です。保守的な見積もりと楽観的な見積もりの両方を示すと信頼性が増します。
3付加価値額の計算方法と達成のポイント
ものづくり補助金で必須の付加価値額の計算について解説します。
付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
| 年度 | 営業利益 | 人件費 | 減価償却費 | 付加価値額 | 伸び率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 基準年 | 500万円 | 2,000万円 | 300万円 | 2,800万円 | - |
| 1年目 | 600万円 | 2,100万円 | 400万円 | 3,100万円 | 10.7% |
| 2年目 | 700万円 | 2,200万円 | 400万円 | 3,300万円 | 6.5% |
| 3年目 | 800万円 | 2,300万円 | 400万円 | 3,500万円 | 6.1% |
付加価値額を増やす方法は「売上を増やす」「原価を下げる」「人件費を増やす(給与アップ)」の3つです。補助金の要件である「給与支給総額の増加」と整合する計画を作りましょう。
4よくある質問(FAQ)
Q: 数値計画はどこまで詳細に書くべきですか? A: 最低限、売上高・営業利益・付加価値額の3〜5年推移は必須です。さらに、売上の内訳(既存事業+新事業)、経費の主要項目、人件費計画を月次または四半期で示すと評価が高まります。
Q: 数値計画の根拠はどう示せばいいですか? A: 「顧客単価×顧客数×購入頻度」のように積み上げ方式で根拠を示してください。「売上2倍」と書くだけでは根拠不足です。市場データや受注見込みの裏付けがあるとさらに説得力が増します。
Q: 達成できなかった場合のリスクは? A: 数値目標の未達自体はペナルティになりませんが、事業化状況報告で理由と改善策の説明が必要です。ただし、著しく乖離した非現実的な計画を立てると、審査段階で不採択になります。
5数値計画のよくある失敗パターン
不採択になりやすい数値計画の特徴です。
- 売上が急増する「ホッケースティック型」で根拠が薄い
- 経費の見積もりが甘く、赤字になる年がある
- 人件費を増やさない計画(賃上げ要件を満たさない)
- 減価償却費の計算が間違っている
- 既存事業と新事業の数値が分離されていない
数値計画は「達成可能で、かつ野心的」なバランスが求められます。過去3年の実績をベースに、補助事業による上乗せ効果を論理的に積み上げる方法が最も説得力があります。
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